アトリエ通信

2021.1January

紫雲膏ワークショップの魅力

紫雲膏ワークショップを11月と12月に開催しました。

紫雲膏は江戸時代からある軟膏で、今でも知る人ぞ知る人気の代物で市販もされていますし、最近ではネットやYouTubeなどでも作り方を投稿しているのを見ることができます。それでも、ほのか薬局のワークには毎年申し込みが多く、リピーターもおられ、ご要望にお応えしながら恒例になってきています。

参加された方は、「こんなに便利な時代に、こんなにお手軽感が全くない、めんどくさいワークもめずらしいね。 手間暇かかり過ぎ()」と言いながらも手間暇を楽しまれ、一生懸命に楽しそうに作業され、満足そうに帰られます。そこで、どんな魅力があるのかワークショップの報告をさせて頂きたいと思います。

 材料は、紫根と当帰という生薬を使います。江戸時代からある作り方ではごま油と豚脂に生薬を抽出しますが、ほのか薬局のワークショップでは、現代版紫雲クリームとして、ホホバオイル、ココナッツオイルやシアバターも選択肢に加え、自分の好みで作っていただけます。匂いの好き嫌い、使用感・硬さの好みがいろいろなので、それにお応えする中で自然に多様性が生まれました。自分の好き嫌いが言えるというのは、うれしいですね。また、全て食べてもよいような健康にいいものばかり。使われている原材料が安心安全というのは、魅力の一つです。

作り方は、江戸時代からの古式の紫雲膏は、ごま油を安定させるために、180℃の高温で1時間も過熱したり、120℃まで下げて生薬を加えて20分間カラリと唐揚げ状態になるまで加熱・・・と細かく温度管理をするので、時間と手間暇がかかります。また、今回はホホバオイルを使って、低温で抽出する方法を試みました。これは時間がかかりすぎるので事前準備をさせていただいています。私は油に生薬を漬けておけばいいのだろうと、簡単に考えていましたが、40℃以下に下がらないように長時間キープするのは、外気温の変化も考慮しないといけなくて、下がりすぎて失敗もしました。湯たんぽと電気毛布で保温するのがちょうどよいことにいきつき、何日もかけてしっかりと抽出できました。

 現代の私たちは温度計や、時計をみて判断しますが、昔の人はきっと、色、音、肌で感じる温度でわかっていたんだろうなと思います。昔の人の感覚は本当に鋭かったんだと思います。

 そして仕上げは、急速に冷やしながら攪拌し軟膏を固めていく工程。まさに職人の技なのです。チョコレート職人が、固める時の作業を見られたことがあると思いますが、それと同じことで、混ぜている手の感触で、固まり具合を感じながら、冷やしている水の温度や、速度などを微妙に変化をさせることで、滑らかな仕上がりになります。

最後に容器に詰めるのも、空気が入らないような入れ方のコツがあり、入れ方で保存性、使いやすさも変わってきます。柿原先生の薬剤師のプロの技を間近で見て、アドバイスをもらいながらチャレンジできるのも面白いところです。このワークの魅力は、質の良いものが安くできるという魅力と、なんといっても自分で体感できるということだと思います。

 

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