アトリエ通信

2022.7july

あるでばらん★ほのか薬局 共同制作の紫根クリーム

ほのか薬局では紫雲膏ワークショップを数年前から恒例で開催しています。ここ数年のワークショップでは現代の紫雲膏を作ろうと、オイルや工程を変えて現代版の紫根クリームを作っているところでした。そのワークショップがとても人気で、来てやってほしいというご依頼もいただくようになり出張ワークショップを行っていました。その流れの中でこの度、あるでばらん★ほのか薬局の共同主催で、紫根クリームワークショップをさせていただくことになりました。異次元のものすごいバージョンアップが起こっています。

 あるでばらん★さんは紫根染めもされていて、とても質の良い国産紫根を入手されたので、今回のワークではその紫根を使わせていただくことになりました。気合が入ります!

現在、国産紫根は絶滅危惧種とされており手に入りにくいだけではなく、手に入ったとしても質は中国産の方がよいとされています。しかしこの国産紫根は、「中国産より質が高い、薬効成分が高い」と専門家から太鼓判をおされた特別なものです。

 実はこの企画、4月に開催する予定だったのですが、試作したクリーム(写真①左)はとても薄い色で、せっかくの紫根の成分を十分抽出できていないことがわかったので、期間を延ばして、全工程をすべて見直して試行錯誤をしていたのです。

例えば、仕込む前に紫根を細かくするところでは、はじめはハサミで細かく切っていたけど、それでは根っこの繊維の中に色素が閉じ込められたままで色素が出なかった、という問題があり、「繊維をほぐすために叩き潰したほうがいいのでは?」とアイディアが出て実験。いろいろと試した結果、石臼と杵でつぶすという工程に行きつきました。

クリームを練る作業は、チョコレート職人のテンパリングと同じで温度や時間が決めて。

ずっとヘラを動かし、かき混ぜ続けますが、どのくらいの温度でどのくらいの時間というのは、「大体これくらいのような気がする」という直感と確かめをくり返しながら、あ~でもない、こ~でもないと実験していきました。

染め人のふみさんは「紫根は一筋縄ではいかない。機嫌があるのよ。」と言われていました。

それは単なる勘ではなく長年、紫根の声を聴いてきた経験と知恵に基づき言われているのだと知りました。いろいろな試行錯誤の末、濃い深い紫で光沢がある滑らかで最高の質感のクリームが完成しました。(写真①右)同じ材料を同じ割合で作ったクリームが、試作と今回でこんなに違う。驚きの光景でした。ほのか薬局の柿原が、「もはや江戸の紫雲膏を越えたのではないか」と言っています。

今回のワークショップは、仕込みから仕上げまで全工程を体験していただくところを大事にしています。時間をかけて変化を観察し、大変な練る作業などは、グループで協力して行います。グループごとのクリームの微妙な違いも出ると思うので、それを感じるのも楽しみです。

あるでばらん★ほのか薬局のコラボでなければありえない超本格的なワークショップ。ぜひ味わってみてください!! 

詳細はFacebookへ

あるでばらん★ほのか薬局共同主催 本格的紫根クリーム作りワークショップ | Facebook

 

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