アトリエ通信

2022.4April

子供のアトリエ スライムという素材について

びよ~ん、どろ~、ぷにぷに、その不思議なさわり心地のスライム。色水・洗濯のり(PVA配合)とホウ砂水溶液を混ぜるだけで作れます。

だいたいの分量を量って、混ぜる手順を確認しながら作っていくので、お菓子つくりに近い感覚です。自分の好きな色が作れ、好き嫌いはあるけど触感が面白く、入れ物などを工夫すると、きれいな作品もできて達成感を味わえるという良さがあります。

5年ほど前にアトリエの創作テーマで、スライムを投げかけたことがありましたが、その時は興味を持つ子がほとんどなくて、たくさん買った洗濯のりが大量に余りました。それが、昨年から今年は洗濯のりの在庫がアッという間になくなってしまうほど、スライムにはまる子が多かったのです。「スライムはひんやりしているから、夏にぴったりの画材」と思い込んで、材料の補充をせずにいたら、真冬でも「作りたい」とリクエストがあり、あわてて買いに走ったこともありました。

カルテを見ると、改めてスライムについて考えてみたいと思います

スライムをつくった時の心身の状態が、不安があったり甘えたい時ということが、複数見られました。また、ストレス性の咳が出ている場合もありました。スキンシップを求めるときに、粘土などの触覚系の画材を求めることがありますが、スライムにはまる子が全体的に多いのは、コロナ渦でもあり、いろんなストレスが、子供に与える影響があったのだと思いました。触覚画材でリラックスや安心感を求めていたのに、材料を準備していなかったことは大失敗でした。

また、「シェービングフォームある?」「重曹ある?」「音が作りたいからスポンジある?」など、実験的なことをしたい子がいて、どうしてそういうことを思いつくのか聞いたら、「YouTube動画にスライムがあって見ている」と聞きました。実際に見てみると、スライムの応用編が紹介してありました。それを見て「実験がしたい、感覚を確認したい」と思っているのがわかりました。実際にやってみると、動画通りにいかないこともあり、どこが失敗だったか、何度も実験して、改善していく様子が見られました。また、すべての材料がいつも揃うわけではないので、あるもので代用しようと工夫し、思ったのと違ったけど、おもしろいものができたりもしました。このような思い通りにならないという経験をすることも大事なことだと思いました。今後ますますバーチャルな世界が進む中、体感・体験の場としてのアトリエの意義を感じました。

4月からアトリエは、第4土曜日のみ開催となります。月一回のアトリエを、いろんな体験の場として、有意義になるように、子供たちのやりたい気持ちを大切にしていきたいと思います。

:大井恭子

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