アトリエ通信

2021.8August

ひこばえが成長し1本の木に。新たな活動にグレードアップします。

ひこばえの会は、毎月料理を作って食べることを通して、子供も大人も育ちあう「共同育自」を主旨として、2017年から4年間、活動してきました。いろんな家族が一緒に料理することで、家族以外の関わりができ、困ったことが起こっても、その都度話し合って気づき合い学び合ってきました。

 その会の参加者が減り、今年の3月からは開催できていない状況が続いていました。参加される子供たちが学年も上がり、それぞれ自分のやりたいことも出てきて、ひこばえへの定期的に参加が難しくなってきていたので、7月に今度どう活動していくかを話し合いました。みなさんは子供の成長に伴い、料理にこだわらない体験、染色など本質的なものづくりや、その他いろんな体験をしたいと考えておられることがわかりました。

 私は、執着心から、会をなくしてはいけないと思って、どうやって会を開催していくかばかり考えていましたが、「毎月ではなくても、イベント的にいろんな体験をしたらいいのでは?」と意見がでました。

 これからどんな子を育てていきたいかという話しの中で、高校生で種の会社を起業した小林宙(そら)くんの話しが出ました。宙くんの観察力、発想力、実践力も素晴らしいですが、宙くんは「周りの大人に恵まれていた」と言っています。宙くんのチャレンジは周囲の人たち、両親、妹、種屋、農家、消費者なども巻き込み、支えられて成り立っています。同じように面白いアイディアを密かに抱えている中学生や高校生は全世界にたくさんいるけど、大人の都合で芽が出なかったり摘まれたりしています。どんな変わった芽でも、摘まずにじっくりと待って見守る大人の存在が大切です。 

 柿原先生は「実際に、ほのか薬局に相談に来る人の中には、本質的なことに目覚めている子が増えてきています。AIの時代に全否定ではなくAIを利用しつつ、自然や地球を大切にしていけるような子供を育てていきたい。会の名前でもある「ひこばえ」は、倒れた樹の横から、新たに成長していこうとする芽のこと。定期的に料理を作って食べるという経験は、 年齢が小さいうちにすることが大切でした。この3.4年で参加した子たちが、料理ができるように成長したのは、ひこばえが成長し1本の木へと育っていることと同じ。その段階に合わせて、ひこばえからその木を大切に新たな活動へグレードアップして、単に料理を作るというのではなく、年に1回~3回とかでも、大人も交えたイベントやワークショップなどを開催していくのがよいのではないでしょうか?

 ほのか薬局から『地球のために何かしていきたい』と発信することで、同じ思いの人達とつながっています。そういう人たちに来て頂いてワークショップ開催することも可能です。自然をコントロールしようとするよりも、地球と共存する方向の道ができています。

人口の3%が変化すれば、社会が変わると言われています。その3%の一人になりたい。」

それを聞いて参加のみなさんは、「その通りだと思う。うちの子も見えることよりも、どうしてそうなるのか見えない真理の部分を知りたがっている。見えない世界を大事にする活動されている方と触れ合うことで、感じる部分を育てていける。」

「今までの、おいしくとか上手く料理を作る事からステージアップし、これからの時代をいかにたくましく生きるか。土台を作る体験を。」

「聞いてすごくワクワク。(自分の)身体に不調があるが、こんな楽しいことをできないのは残念だから、

治して参加していきたい!」「そう思うと身体が変化していくよ」「大人もそこに向かってこうなりたい!と変わっていけたら、子どもと一緒に成長する楽しみがある。」と賛同されました。

 みなさんの話からやっと私も、活動が変化していくのは成長の証だとわかり、受け入れることができました。会を存続させようという執着は、自然や相手をコントロールしようとすることと同じだったと気づきました。ということで、ひこばえの会は毎月の料理の会は卒業しますが、これからの活動をお楽しみに!

 まずは、103()に、手仕事サークルとひこばえ合同で、草木染(クチナシ・玉ねぎの皮)でご自分の好きな布などを染めます。詳細は来月お知らせします。どなたでもご参加いただけます。(文:大井)

トップに戻る