2018年1月

 今、自分がどこにいるかわかりますか?

最近アトリエに来ている子どもの様子から、ある重大なことに気づきました。それは、『今自分がどこにいるかわかりますか?』と質問しても、分からない人が多くなっているのではないかということです。地図や時間、室温の管理など、プログラムしておけば生活のほとんどは、AIに任せておけば何でも思い通りになり快適。自分で自己管理する必要がなくなる世界が、すぐ目の前まで来ている。でもその時は「自分の感覚」というものを失うことを受け入れる必要があります。もし失わないまま「何か変!?」という感覚が出てくると不安で仕方なくなるからです。

本来、日本は地形や自然の環境だけで言うと、「厳しい自然環境の国」なのですが、変化にとんだ気候は自分たちが生きていることを自覚させ、安全で暮らせる技術や文化を発展させ、助け合って生きていくという選択を選んだ。そんな自然とともに生きる知恵を持っている日本人は実は「厳しい環境を生き抜ける力」を持っているのです。その感覚や力を失うのはもったいないと思いませんか?
   日本の漢方を学ぶとき、急性疾患は『傷寒論』慢性疾患は『金匱要略』という書物を暗記するほど読みます。日本の漢方医学はこの書物の診断、薬物療法があってはじめて今日の発展を迎えたといっても過言ではありません。この傷寒論の最大の特徴は、病気がどの位置にいるのかわかることです。

病変は一時も静止することなく常に変化していることを始めから終わりまでの状態と治療法が示されている。


さらに特徴的なのは、治療法が誤っていたり不適切であった時に引き起こされる症状と治療法までも詳しく書かれている。この、「間違っても大丈夫」的な記述が妙に安心感を与えてくれるのです。

もちろん、思い通りに変化しないこともありますが、その都度進んでいる位置関係がわかっていると修正できます。ところが、「ただその時の指示」だけに頼っていると、かえって緊張感、出来なかった時の失望感が強くなっているのではないでしょうか?あらゆる変化に柔軟に対応できた日本人の感覚を失いたくないと思いませんか?まずは四季と共存するための心と体の仕組みを学びなおしてみませんか?