2017年9月
 肌は心の表情

西洋医学では、まだ心の発生について未知な部分が多い。しかし、東洋医学では4000年も前から胎児の時から精神性の「魄」(はく)を育み、自分が生まれた場所の環境を生き抜く力をもって生まれると考えられていた。それは、胎児期だけでなく、育つ環境における日々の生活でさらに育まれるものとされます。

いわゆる「多種多様」な空気感を経験し、乗り越えることで育まれていきます。しかし、近年の過保護な生活では「魄」の力は育まれません。そして「魄」が適切な判断でその状況を乗り越えるバリアの気を作り出すのです。

胚葉学では、すべての神経系は外胚葉から分裂してできると思われていましたが、脳を中心とする神経系は外胚葉からでき、胴体部分の神経系は「中胚葉になる前の細胞分裂」からできることがわかってきました。脳優位型人間になるか、身体感覚優位型人間になるかは、細胞分裂の際に決まってきます。

繊細な産業を生み出す日本の「職人肌」は、身体感覚優位型人間です。東洋医学で言うところの「魄は生まれて死ぬまで」関与するということで、環境に鍛えられれば、「魄」は育ちますが、過保護に育ち、過酷な環境から逃げ回っていたら「魄」は育ちません。

肌の表皮が受ける刺激でストレスホルモンが作られることもわかってきました。それが同じ外胚葉由来の脳に伝わり、ストレスを感じます。真皮はストレスに対する防衛反応や感情に伴う反応も行います。「魄」が育つということは表皮と真皮の連携で外部ストレスや内部ストレスに上手く対処できるということ。いろんな経験で今起きている現実をしっかり認識し、「いい加減」の反応ができるということです。

ところが、現代の脳化社会では頭で考えた不安ばかりが先行し、真の空気感が認識できなくなっているようです。気候変動が激しい昨今、今こそ「魄」を鍛える時だと考え、心の不安を軽減したいものです。